月と海

戯言も書けば文学

開戦前夜

新しい年が来るとなんで“おめでとう”なんだろう。

一年を安寧に過ごせたことに感謝の気持ちもある。来年も自分のやりたいことをやれるだけやって、未来を切り拓きたいと思う。ただ、年が1年新しくなることにおめでとうなのが分からない、、

と言いつつ、私自身もあけましておめでとうございます、と慣例の挨拶として使うのだけどね。

 

そんな素朴な疑問も、今年は特に思う。年が明けてもおめでたいな〜なんて思えない。今だって速報が鳴った。

“新規感染者数初の4000人越え。”

コロナウイルスの国内感染者数の速報。また最悪な記録が更新された。

 

昨日、ヨーロッパ欧米諸国のコロナとの闘いを記録したNHKの番組を観た。怖かった。他人事ではないと分かっていながらも、より身近な恐怖を感じた。元気だったウイルス感染者が1日1日ごとで容態が急変し、6日も経つと人工呼吸をつけ、7日目以降は喋ることも出来ず、無言のビデオ。そして亡くなってしまった。

すごく怖かった。大切な人がいとも簡単に感染し、瞬く間にその人生が閉じる。

職場、地元、親友の父親、恋人の職場のすぐ近く。もうそこまで迫ってる。

 

2020/2/1、ダイヤモンドプリンセス号の乗客1名がコロナに感染していることが確認されたあの日から10ヶ月が経った。

そして2021年。今年は、あけましておめでとうではなく、第二幕開戦の号令を唱えたい。コロナとの、見えない敵との闘いの。年始のお祝いムードに惑わされて気持ちが緩むことのないよう、肝に銘じたい。